ヘタミュについて





ヘタミュを観ていたら語りたくなったのでのんべんだらりと語っていきます。


国擬人化マンガ・ヘタリアのミュージカル舞台、通称ヘタミュ。デリケートな大ジャンルを三次元化するという事で、当初はかなりの批判がありました。
曰く、外国人俳優を起用しないなら見ない。曰く、声優の吹き替えでやってくれなきゃ見ない。俳優界隈の人間はそういったツイートを目にする度に笑ったりキレたりと大忙しでしたが、ヘタリア界隈の方々も受け入れるのは大変だったと思います。だってどう足掻いても全員日本人ですしね。
ですが最終的には殆どの方が受け入れて下さったようで、ツイッターで「ヘタミュ」と検索をかけると幸せになれる意見が沢山出てきます。これは俳優オタクとして凄く嬉しいです。本当にありがとうございます。

さて、ヘタミュには原作ヘタリアにちょくちょく出てきている「上司」と呼ばれる存在が出てきませんでした。「上司」は文字通り国達の上司で、彼らが望まない行動をするよう命令する事ができます。ですから原作ヘタリアには「国自身はやりたくないけど上司が命令したから」という逃げ道が用意されているのですが、「政府を含んだ国家」という解釈をされたヘタミュではこの逃げ道が塞がれている状態でした。
今回のヘタミュには「南イタリア」「プロイセン」といったイタリア(北イタリア)とドイツの兄的存在すらおらず、彼らは「彼らに何かを強制したり、その分責任を取ってくれたりする存在」が居ないまま国としての行動を自ら判断するよう迫られます。「アメリカの超大国感が凄い」と言われているのを何度か目にしましたが、これは「国としての行動と乖離するキャラクターの感情」の描写が殆ど無かったからではないかと思います。
ヘタミュにおいて国達が他国を進撃するのは「上司に言われたから」「兄がそうするよう言ったから」ではありません。あくまで彼ら自身がそうしたいと願ったからそうするのだ、というのがヘタミュ的な「侵攻戦争」の解釈です。だからヘタミュのキャラクターはあの情緒豊かで可愛らしい面の奥に、ゾッとする程利己的で冷酷な面がちらりと見えているのではないでしょうか。そして、そんな彼らだからこそ、最後のイタリアくんのシーンが効くのだと思います。

小難しい感想はここまでにして!
今回ヘタミュを終えて驚いた事が、再演を希望する方が物凄く多いという事です。「物語として完結していないのにどう舞台化するのか」と不安がってた舞台オタクも観劇後は「原作読んだ事無いのに分かりやすくて楽しくて、そしてちょっとだけ怖くて最高、もう一回!」という反応で、2.5次元舞台とはいえここまで再演が希望されるのは珍しく、またキャスト続役を希望する方もメッチャクチャ多かったです。
キャスト続役、というのは基本的に2.5次元系舞台では難しくなってきます。集客力の高いキャスト達は舞台や映像作品に出ずっぱりなので、再演や次回公演をするにあたってのスケジューリングが難しく、その結果再演は同じ役を1stと別の俳優が演じる事が多くなります。特に舞台は稽古期間が一ヶ月や二ヶ月あるのが普通ですから、有名なテニミュでさえ2nd跡部景吾様役が最後の最後でスケジューリングが出来なくなり、頂上決戦対決を別の俳優が演じる事になったくらいです。
ですが勿論例外もあり、例えば舞台・弱虫ペダルでは一部の役を除けば殆どの役が最初の公演から固定されています。その他にもキャストが固定されている舞台はいくつかあり、その多くが「最初の反応が物凄くよかった」舞台です。
ですからキャスト続役を希望してらっしゃる方はもうガンガン「ヘタミュ良かったです!次回公演してください!次回公演やる時はキャストそのままが良いです!」という感想を送りましょう。「もっかいやって!」と思うだけではポリゴンマジックには届きません。アンケートホームページ、公式ツイッター、制作会社(ポリゴンマジック)HP、媒体はどうあれ文字にされた感想・希望が無ければ制作会社はこっちの要望を汲み取ってはくれません。「日替わりできるだけDVDに入れてください!」「CDにして下さい!」「地方公演して下さい!」も同様です。こちらからアクションを起こしてアピールしていきましょう。「もう一回」に、キャスト続役に繋がる道はそれしか無いと思います。お前がヘタミュのママになるんだよ!です。
今回のDVDに日替わりが入っていなくても、「日替わり入れて」という声が多かったら次公演のDVDは日替わりを入れてくれる可能性がぐんと上がりますから、めげないでどんどんいきましょう。というかこれだけ日替わりを希望する声が多い事を運営が予想できず、そもそも日替わりシーンでカメラを回していない可能性もあります。でもここで「日替わり入れて!」と言う事で次回公演からはちゃんとカメラが入りますから、絶対にその声は無駄にはなりません。
ついでに言うと、自分が希望した商品が出されると「これ自分が言ったからかな!?」ってなってめっちゃ楽しいです。自分もヘタミュCDが出たら「自分が言ったからだな〜!!」って自慢すると思うのでフォロワーは宜しくお願いします。
あと「再演」は「同じ内容をもう一度やる事」、「次回公演」「第二弾」「第二章」は「全く別のストーリーをやる事」となっているのが多いので、参考にして下さいね。


また、もし次回公演があった時に別の俳優が起用された場合、お願いですから俳優個人を攻撃しないで下さい。先程言った「最後の最後で交代して跡部景吾様役になった俳優」は今の最推しです。彼の「跡部景吾役になりました、一生懸命頑張ります!」というブログ記事には「相応しくない、辞退しろ」「前の俳優の方が何倍も良いです。どうして貴方なの?」というコメントが多く投稿されました。演技も見ずにそれを言ってしまった方には今でも一日五回はキレてますし、そんな声に負けずに最終的には「最高だった!」と評価された推しを誇りに思っています。
俳優とはいえ彼らも人間で、嫌な事を言われたらしっかり傷つく事、新しいキャストにもファンが付いていて推しを謂れなく批判されたら怒る事、どうか覚えておいて下さったらと思います。同様に、「××くんの○○じゃなきゃ嫌だ!」は禁句です。その声は舞台を衰退させ、キャラを一生懸命愛そうとしている筈の新キャストを殺します。演技が下手だとか歌が下手だとか、そういう欠点を批判(not中傷)されるのはある程度までは仕方が無いと思いますが、○○役がその俳優であるという事だけは批判しないで下さると嬉しいです。 

キャスト交代は勿論残念ですが、「この人の○○はどんな感じなんだろう?」と、前の俳優との違いを楽しむスタンスの方が何億倍も前向きで素敵です。「前の俳優と違う」事を受け入れ、そこを責めないこと、どうかよろしくお願いします。

最後になりましたが、ヘタミュ、最高でした!DVDには日替わりをできるだけ入れてください!CDも売ってください!あと次回公演・地方公演希望です!キャストは続役だと嬉しいです!!